実は本日、アニゲマスター放送開始から20年という日だったりします。
— おたっきぃ佐々木 (@otasasa) 2017年10月11日
そして、この番組は見事来月11月3日に一夜限りの復活を果たす。
久々に個人ブログを書くのもこれが理由だ。
完全に「語り」がしたいから記事を書く。それだけです。
詳しい内容は文化放送1134、JOQRのこちらのページに飛んでくれ。
皆さんは知っているだろうか。「アニゲマスター」と言うラジオ番組を。
この番組は今考えても、そして当時で考えても「普通じゃない」番組だった。
1997年10月12日に始まったこの番組は、ある意味で現代の「オタク向けのラジオ」の原型を作ったと過言ではないかもしれない。
数々の伝説は他の多くのリスナーによっておおよそ語られていると思うので、ここではボクの主観でどんな番組だったのかの話をとりとめもなくしようと思う。
まず最初に断っておくが、このラジオ番組はいわゆる「アニラジ」ではあるが、「声優ラジオ」ではない。
メインパーソナリティはいわばズブの素人、ラジオ局に勤めるラジオディレクターだ。
アナウンサーでも、ナレーターでもない。
本当にただのラジオディレクターがアシスタントとして当時売り出し中であった女性声優を横にして、二時間ひたすらオタクトークをする。そういうラジオ番組だ。
しかも、その内容が異様に濃い。
20年前1997年のオタクトレンドを軽く振り返ると、
エヴァンゲリオンの劇場版が公開となり、
セガサターンとプレイステーションがコンシューマーゲーム業界で火花を散らしていた。
週刊少年ジャンプはドラゴンボールの連載が終わり看板不在と言われる中、
すごいよ!! マサルさん、るろうに剣心、封神演義、地獄先生ぬ~べ~、遊戯王を連載していた頃だ。
そんな時期にこの番組ではメガドライブとうる星やつらの話をしていた。
何をバカなと思う人も多いだろう。
だが実際に記憶を辿ると、宇宙戦艦ヤマトの話題になり、じゃあそろそろ一曲長そうと言う段取りで多くのリスナーは主題歌の「宇宙戦艦ヤマト」か「真っ赤なスカーフ」あたりを流すだろうと予想する中、メインパーソナリティが何を思ったかこう言い放った
「この番組普通じゃないんで、波動砲鳴らしますね」
このあとしっかり四分半、波動砲発射シークエンスの時のエフェクトを流したのである。
毎週テーマは変わる。
その時期に流行っている旬なゲームやアニメ、マンガの最新情報、声優さんのライブ、特撮の裏話はもちろんあった。
だが、時にはあの当時で考えても古いアニメやマンガの話題が平然と飛び出す。
Weiβの話題からいきなりスラップスティックにスライドするなんてのは茶飯事。
美少女バトル物の話題でレイアースを語っていたら突然幻夢戦記レダの話になる、
シティハンターの話をしていたはずなのに気づけば北斗の拳の千葉繁さんの怪演を語っている……などなど。
とにかく知識が(あの当時の少年たちからすれば)とてつもなく話題が広く、ディープなのだ。
そんな話を延々と素人が語り続け、アシスタントの声優が困惑する。それがこのラジオの基本スタンスだった。
正直言って、あの時の文化放送は正気を疑ったほうが良い。だが、それが見事に当時のオタクのトレンドにハマった。
メインパーソナリティのおたっきぃ佐々木氏はシャベリは素人だが、オタクとしては間違いなくその道の人だった。
彼のオタク知識と話題は見事にあの時代を生きていた若いオタクたちに刺さった。
オタクとは浅くてはいけない、オタクとは狭くてはいけない、オタクとはあらゆるアニメ、ゲーム、マンガ、特撮、小説その他に詳しくなくてはいけない、そんな事を暗に聞かされていた気がする。
恐らく今のオタクと呼ばれる人たちには理解できないレベルの幅広さと、
ディープでマニアックな内容をその場その場で吐き出すステレオスピーカーにボクたちは魅了された。
自分と言うオタクを作る素養のさらに下地はこうしてこの番組によって形作られたのだろう。
見事に冥府魔道に落ちてしまったボクのようなオタクも多いと思う。
おたささ、ありがとう。そして、ゆるさねぇからなw

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