曰く、エロ本も含めた書籍全般の売上が芳しくないと言う、商売として全く正しい判断でそうなったらしいのだが、色々なメディアの皆さんが「不健全で」「外国人に勘違いされて」「恥ずかしくて」「傷つくから」「子どもに見せたくなくて」と言う丁寧な言葉で、どこかたしなめるように、これを良いことだと歓迎していた。
そこでタイトルの意味だ。
カフェインは基本的に、
<覚醒剤であり>
<興奮剤であり>
<胃を悪くし>
<健康に害をなす物質>
だと断言した。
『ハーモニー』伊藤計劃 より引用
作中ではこの後、カフェインは廃止されるべきだ、と言うような内容を「とても優しく」「ていねいに」「控えめに」提案する流れとなった。
誰かが傷ついている、社会的に不健全だ、被害者がいる。
それらはとても痛ましくて、共感を呼び、理解され、共有されるべき、とても優しい感情なのだろう。
けれど、そうして誰にでも優しく、健全で、健康で、安全で、安心な社会は果たしてどこに行き着くのだろう。
ヒトがどんどん優しくなれば、エロ本が消えて、タバコが消えて、酒が消えて、その次は多分、コーヒーと茶が世界から消えるんだろう、とボクは予想するのだろうけれど、ヒトはどこまで優しくなれるのだろうか。
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