G・A作戦準備室

サークル重力天使のほめぱげ。主にダラダラとした告知とかキッチリとしたどうでも良い話。      発行する同人誌には18禁の物もありますが、ここは全年齢なのです。

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Rubber Edg/2

「こういう空ならば、確かに授業もサボりたくなる」
彼はそんな事を良いながら、黒い液体を満たしたビーカーを手に本当楽しそうに喋る。
「何、それ」
「コーヒー。まぁ、安物だけれどね」
大振りのビーカーから一滴もこぼす事無く、小振りの二つのビーカーに注ぐその行為。何気なく行っている事だが、その行動の端々にこだわりが見て取れる。
そして、本当に何気なく全ての行動する彼はそれが当然の出来事のように胸ポケットからタバコを取り出す。
たしか、学校内の全域で禁煙になってたはずだが、そんなものは気にしないとばかりに銜えたタバコに火を灯す。
「ま、冷めない内にどうぞ」
それがコーヒーに対する礼儀、とばかりにブラックのままのコーヒーを口にする。
「コーヒーが美味いと気分が良い」
なんだか、それに釣られるようにして私はブラックのままのコーヒーを頂く。なんと言うか……酷く苦い。こんな物、人間が飲む物なのかと疑う。
「まだコーヒーの味が分かるほどじゃないかな」
にこやかに、それが当然とばかりに笑う男。
しかしながら、それが全く悪意の無い笑みだと分かる。


自らを朝倉 涼二と名乗るこの男。
この学校にて非常勤講師として、地学と生物を教える人間だと言う。
整える気が見えない散切り頭に、細かく生える無精ヒゲ、風来坊のようなシャツの上に草臥れた白衣を来た見るからにダメな男だ。
それでいて不自然な程に真っ直ぐと伸びた背筋と細身な身体でタバコとコーヒーを代わる代わる飲んでいる。
「学生時代は剣道と空手を少しやっててね」
そんな理由で長身を説明する彼は、本当に仕事が無ければダメな男にしか見えなかった。


「さて、ボクは自分の身分を晒した訳だけれど、君は? 一応ボクも先生と言う立場だからね。把握しておかなくっちゃいけない」
まるで咎める気がないその口ぶりに、自然と口を開いていた。
赤坂 翔子。普通科二年。得意科目も苦手科目も特になし。
気分が悪いので空を見て気分転換をしていた。
そんな事を喋っていた。


「赤坂……?」
「なんですか?」
名前を聞くなり、彼は手の平で口を隠す。まるで何か……真意を隠すが如く、抑えて思案する姿に疑問を感じたが、特別な名前でもないはずだ。
「もしかして、うちの親戚に知り合いでも?」
「いや、なんでもないんだ。珍しい苗字だなってね」
探りを入れるつもりで聞いたが、どうやらビンゴらしい。
大抵、こういう時の反応で人間と言うのは分かる。
「あ、もしかして彼女と同じ苗字とか?」
「ハハ、それ以上はプライベートな問題だぞ」
なるほど。彼女とかではないにしても何かしらの間柄がうちの親戚か、同じ苗字の人間にいるのか。


本当に綺麗な空の下で、遠く聞こえる体育の授業の掛け声が異世界の出来事のように感じ、コーヒーが苦い日だった。
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