G・A作戦準備室

サークル重力天使のほめぱげ。主にダラダラとした告知とかキッチリとしたどうでも良い話。      発行する同人誌には18禁の物もありますが、ここは全年齢なのです。

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Boot 1

いつの時代にあったとしても、彼女……『赤坂 七瀬』を知る人は彼女をこう、評するだろう。
『異端児』であると。

無論周囲の人間が彼女に対して形容し、評す言葉の数々の中に、悪意や敵意がある事を彼女自身も良く分かっている。それでいて、彼女はそうした言葉の数々すらも平然と受け入れ、生きている。
相手の意見を否定せず、ありのままに受け入れて、それこそがさも当然と生きる姿。人はそれを見て更なる不信感を彼女に抱くのだが、流石にそれ以上はと言う状況で、『中間に位置するような人々』の善意が意図せずとも働き、抑止力として見事に機能する。
無論、彼女はそれを知っているからそう振舞うのだ。
彼女は知っている。自らが天才であると。
今日は……さもそれが天然自然の結果であると言わんばかりに、エラーを吐き出す自らのコンピュータを眺めていた。








画面全体に弾き出されたエラーコードの川と、山のような削除、規制、破損の文字。
いくら自らが天才であったとしても、元々『壊れていた』ものはどうしようがない。
そもそも、データの形式……フォーマットが違うのだ。それが文書データであると判断認識できるようになっただけでも十分な物だと思える。
恐らく、別形態の言語を強引に翻訳したのであろう。文章として明らかにおかしいと思える物まで見つかっている。
まぁそんな誤字レベルの文章ならば問題は無いのだ。最初から諦めもついている。
少なく見積もっても一世紀以上昔の物を『発掘』したのだから。


西暦と呼ばれるものを廃棄して、既に人類は一世紀近くの年月を過ごしてきた。
その間、飽くなき戦争と言う闘争本能の代価消費を辞める事も出来ず、貨幣と言う仮想的な価値観を主観に置いた生活を捨て去る事も出来なかった。
旧世紀どころか、人類誕生の頃から抱き続けた理想郷など、結局人類の足の伸ばせる場所にはどこにも無く、言いようの無い絶望感が人々の間に広がっていた。
そうした中でも、人々は自らの欲求は止める事が出来ず、私はそう言う仕事に従事している。
知的欲求。それを完璧に満たせる存在があるのだとしたらば、それこそ代理的な理想郷への道だ。
無論、私自身も知識への探求は多かれ少なかれある。むしろ、人よりもあるからこそ、こんな下らない仕事をしているのだろう。これしかなかったと言えば嘘になる。
知的遺産発掘調査。名前の面は良いとして、結局は自らの先祖たちのトラウマや恥、愚かさを知る為の作業だ。あまり気分の良い物ではない。


その昔、世界征服の名の下に世界中に戦渦を広げた大罪人、彼のその最大の目的が隣国に保管されていた二千年前の財宝を手に入れたいが為だけの極めて個人的な欲求に基づく行いだったと知った時に愕然とした。
人間は、例え何百年、何千年と生きたとしても……何も変わらない。
それは過去にも、現在にも……そして未来にもそうなのだと悟った時、私は自らを押し殺した。



資料の中に見かけた事のある文字を発見し、思考を働かせる。考える。

なぜ、自分と同じ名前がそこにあるのか。

何故、何の為に?
普通に考えれば、同姓同名の人物が過去にいたのだろう。
それ故に資料が残っている。
と言う偶然の物事であると判断できる。
だが、何か計り知れない違和感を感じる。

その日は……ずっとそんな不可解な違和感に捕われてしまって何も出来なかった。
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