G・A作戦準備室

サークル重力天使のほめぱげ。主にダラダラとした告知とかキッチリとしたどうでも良い話。      発行する同人誌には18禁の物もありますが、ここは全年齢なのです。

第三次高等学校抗争 ケース37 パターンE

モニターに映る状況に、思わず舌打ちをする。
有耶無耶にされたままではいられないと立ち上がった人間は星の数程だが、その手段が余りにも杜撰で、子供じみていた。
これで戦争を名乗るのならば、暗殺事件や銀行強盗の方がよほどマシだと歯噛みする。
偵察部隊は全てスタングレネードで沈黙。
中核のはずの攻撃部隊は問答無用で鎮圧されて死傷者多数である事がこちらでも確認できる。


首脳陣が推し進めた作戦概容を聞いた段階で私は反対していたのだ。
時期が早すぎると。
それでも、はやる気持ちを抑えきれないのは誰しもなのだろうか。
反対1、賛成多数で作戦決行が今日になっていた。
せめてあと一ヶ月、いや一週間でも良いから時間が欲しかった。
目に見える範囲にネット回線の繋がっているPCは三台。
うち一台は状況のモニターを目の前で行っている。
残りの二台のうち、一台は予備用で私の直ぐ目の前で火が入っている。
何とかしなくてはと、はやる気持ちを私も抑える事など出来なかった。
ネットワーク経由での敵陣へ撹乱、情報攻撃。
正直、ダメ元だ。
だが数で勝てないのであれば、こうする位しか思いつかない。
「畜生……俺も殺されちまうんだ!」
明後日の方角からうめく声が聞こえる。正直、涙声になっていた。
直後、冗談みたいな音が聞こえてくる。
思わず振り返って見ると、声の主が随分と小柄な少女に張り倒されているのが分かった。
「最初から死ぬ気が無いのならば、ここから出て行きなさい! このタマナシが!」
随分と口汚い罵りだと思いつつも、意見としては全く同じだ。
最初から死ぬつもりが無いのならば、こんな銃声が鳴り響き、火薬の炸裂し、爆風で揺らぐような場所にはいない。
それでも……ここにいるのは、誰しもが二十歳前後の少年少女なのだから、仕方が無い事だとは分かる。
アニメやマンガ、小説の中の物事が現実世界にやって来たのではと、我が事ながら思う。


まさか、高校生が中心になって全国的な大規模テロ活動を起こすなんて、世紀末の最中に世も末だとは思う。
学生運動などとは名ばかりだ。
何処から入手してきたのか、実弾と共にハチキュー……八九式5.56mm小銃や9mm自動拳銃、スライドに桜の紋入りの間違いなくライセンス生産されている自衛隊の装備を手にして学生運動をすれば、そりゃ最初はクーデターかテロかと報道もされてしまうだろう。
出足は非常に宜しかった。
そりゃあ、学生が自衛隊の現役装備を手にした学生など、世界中何処を探したってレアでしかない。と言うか、それまで歴史上に存在していたのだとしたら調べてみたい。
派出所……要するに交番や警察署、学校……果ては市議会や県議会までを舞台にし、爆装の状態で踊り狂う。
当事者ながらに余りにも滑稽な様子だと思う。
ああ、遠い二次元や空想、妄想の産物ではないのだと『開戦』して一ヶ月は思いもしなかった。


覚悟はあった。自分たちがやっているのは悪事でしかなく、いつか殺されるか、罪を償うべきだと。
そして……高校生を唆したのは。


他でもない私達、大学生だからだ。


言うならば、後にはA級戦犯なのだろう。
『平和に対する犯罪』余りにもバカげた意味を持ったその言葉に反感さえ感じたのはいつ頃だったか。
取り巻く社会に対する反感を抱くものは余りにも多く。
私達は銃を手に取った。
そして、今は銃を向けられる存在となった。


Flip・Flop


意識が暗転する。
まるで……戦争の最中にいるような夢だった。
じっとりとする額の汗に嫌悪感を抱きつつも……
私は、枕元にある雑記帖に覚えている限りで、夢の中の世界の仔細を連ねた。
無論、小説のような物など書く趣味もなければ経験も無いので、分かる範囲での状況を記しただけだが。
十分程だろうか。
まるで身体が覚えているとばかりに筆を進めて思う。
思ったよりも出来の良い散文が出来上がった。
小説家にでも転職でもしようかと、冗談が漏れる程だった。
時刻は午前三時。
普段ならばもう少し寝ていても問題は無いのだが、私はその日はそのまま起きてしまおうと思った。
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