G・A作戦準備室

サークル重力天使のほめぱげ。主にダラダラとした告知とかキッチリとしたどうでも良い話。      発行する同人誌には18禁の物もありますが、ここは全年齢なのです。

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It's a wondaful world

「赤と言う色を知っているか? 昔はジジババ……鯨ばあさんみたいな連中が好き好んで着てた服の色なんだが……俺も鯨ばあさんもそうだが、この体の内側に流れているモンは赤だ。コイツが無くなると、辛くなる。人間の幼年体、つまり一番素直で正直なそれを『赤ン坊』って言う。
つまりな、赤とは生命(いのち)の力、一番パワーがある物だ」
ぼくと同じく、緑色をして真っ黒なその人。その人が最初に教えてくれたのは『赤』と言う意味だった。


浮島のトキワ
ぎぃ。
なにかがこすれるような音が耳をくすぐるように聞こえた。
ぎぃ。
きもちよく揺られるように、その音を聞いた。
ぎぃ。
それは何かから逃げるように。
ぎぃ。
それが、恐らく最初に聞いた世界の音だった。

目をさますと、それはとてもここちのいいところで、ぼくはびっくりした。
おなじぐあいでゆっくりと、しずかに、そうなるのがふつうのように、あった。
立つ。歩く。
はじめてだけれど、はじめてじゃないような、ふしぎな気持ちだ。
そうなるのがふつうのように、それは開いて、ぼくはひどくまぶしくなった。
「……目をさましたかね?」
「おはようございます」
ふたつの音。やわらかいと思った。
それはあたりまえのように流れてきて、けれど、どうすればいいか分からず、困ってしまう。
それはすこしだけぐあいをかえて言った。
「お腹、空いてますよね? 食べれそうですか?」
なんのことだか分からないけれど、なぜだかそれはそうしなくちゃいけないような気がして、ぼくはあるいた。
「ふむん」
ふしぎな音だ。けれど、ここはきらいじゃない。きらい? それはなんだろう。
「どうにも、色々と足りないようだね。まずは腹に物をいれなさい」
こすれるような音。これはすきだ。すき?
「じゃあ、ちょっと待っててくださいね。すぐ君の分も用意しちゃいますから」

それはふしぎなこと。
それはさっきとちがった音をだした。
おなじようにしていると、なんだかあたたかくなった。
「えっと、お口に合うかな……」
なんだかへんなかんじ。でもきらいじゃない。
「……」
そうしていると、やっぱりあたたかくなった。
「あは……自信作だったのになぁ」
「しょげる事は無いさ。大分スープを作るのも上手くなったもんだ」
それはいきなりあかるくなって、それがやっぱりぼくをあたたかくした。
「……『食べる』ってのは『人』が『良くなる』から食べるってんだよ」
「それ、何回目ですか」
あたたかい。そうなるのはふつうなんだ。

「それじゃあ、あたしゃ寝るから、たのんだよ」
「はい、いつも通りの時間にまた」
ぎぃ。ばたん。
「さってと……君、名前分かる?」
なまえ?
「そう、お名前。私はね――」
ぎぃばたん。
「忘れてたよ……そうだ、そうだ」
ばたばたばた。
がしゃがしゃがしゃ
「お婆様、後は私がやりますから、大丈夫ですって」
なまえ?
「星の位置観測は自分の目で確かめないとね、気が済まないんだよ」
なまえ……
「天文図のデータはどこだい? ああ、あったそこだそこだ。とっておくれ」
ざらざらとした、きもちがわるいものがうかぶ。
「はいはい、これですね」
いたい……いたい。
「それだよ、はい」
ガタン。
「――!? 大丈夫ですか!?」

それはやっぱりきもちよくて、すごくあたたかかった。
音が、きこえる。
音と、ぼくがいっしょになる。
「……おはようございます」
すごくやわらかい音がする。
「心配したんですよ……けれど良かった」
からだの、まんなかがあたたかい。きもちがいい。
「……私の声、キコエテイマスカ?」
こえ?
「そう、声」
音?
ふるふる。
「これは、声。大切な物」
たいせつな、もの。
「今は疲れてるから、全部を一片に考えないで。けれど、これだけは覚えて」
おぼえる……
「あなたの名前は、トキワ。力を示す色」
トキワ……ぼくは、トキワ。
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