G・A作戦準備室

サークル重力天使のほめぱげ。主にダラダラとした告知とかキッチリとしたどうでも良い話。      発行する同人誌には18禁の物もありますが、ここは全年齢なのです。

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浮島のトキワ・2

「誰もが疲れている。命の全てが疲れている。だから、意思ある物は奪う。力ある者から……それは生きているのだから、そうしなきゃいけない訳だが、そうした結果何があったか。昔、そうやって奪う事を続けた奴はもっと大きな奴に全てを奪われた……飯を食う時に『いただきます』って言うだろう? あれは作ってくれた人間に対する感謝だけじゃない。食べ物になった、自分がこれから奪う物への礼儀だ。その気持ちを忘れたから、こうなった。誰かが自分のためだけに動いて、自分のためだけに奪い始めて、結果、皆疲れてしまった」
少し寂しそうな目で、彼はそう言って優しく教えてくれた。

浮島のトキワ
ぼくはトキワ。
そういう風によばれた。だからそうなんだとおもう。
それは、ぼくをそうよんだ。
「こら、名前で呼ばなくっちゃだめでしょ」
すこしつよく、おねえさんはいった。
つかれがなくなって、めをさましたら、おねえさんは言った。
「色んな事を少しづつで良いから覚えていこうね」
「うん」

それはむずかしくて、ずっとずっととおいところに行くような事なんだと言った。
「これはお皿。食器よ」
「おさら……」
かちゃかちゃ。
「それで、これがスプーン。こっちがフォーク」
すぷーん、ふぉーく。
ふわふわする。
「……それで、これがテーブル。ここまで大丈夫?」
てーぶる。
がたがた。
「あはは……とりあえず、最初はこの辺からで良いよね……良いのかな」
あかるくなったり、しぼんだり、うーんと音をだしたり。
「おねちゃ……」
「はいはい、なぁに……え、君しゃべれ……」
「おねちゃ、トキワ」
おなじように声をだしてみた。
「――そうだ、トキワ、喋れるの!?」
うんうん。
ぎゅー。くるしい。だけどあったかい。
「おねちゃ……」
「……」
「おね、ちゃ……」
「少しづつで良いから、少しづつ、歩いていこう」
わからないけれど、うれしい。すこしかなしい。うれしい? かなしい? それは、なに。

トキワは少しずつ、けれど教えた端から言葉をすぐに喋りだした。
予想以上に早い。食べ終わった食器を片付けながら、考える。
お婆様からは「お前が育ててみろ」なんて言われてしまった以上、それはまぁ、私がやらなくちゃいけない。
できない、と言われたら半分正解で半分間違い。
確かに基礎的な事は多分大丈夫。ご飯も大丈夫だと思うし、けれど……うーん。
オーバーヒートしそうになる。それだけで良いのかなと参ってしまう。
正しい答えなんてないんだろうと言うのは分かっている。だとしても、これは中々に骨が折れそうな物だなと思う。
今は、とにかく行動あるのみ。うんと拳を作り、同時に足元で盛大に何かが割れる音。
……前途は、多難だ。
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