G・A作戦準備室

サークル重力天使のほめぱげ。主にダラダラとした告知とかキッチリとしたどうでも良い話。      発行する同人誌には18禁の物もありますが、ここは全年齢なのです。

It's a wondaful world・2

「昔、竜がいた。竜つっても……ああ、分からないか。そうだな、冗談みたいにデカイトカゲだと思えば良い。二億とか、三億とか、そう言うスケールの昔だ。そんだけ生きてても、連中はデカくなる事しかしなかった。そう言う環境だったのもあるし、それ以外に生き残りの道がなかった。その後、多少の環境変化に対応できる連中が出てきた。そいつらは知識と炎を武器に繁栄を続けた。いつまたそんな冗談みたいにデカイ敵が出てきても良いように。結局、最大の敵は自分らの同胞だった訳だがな。なんだかんだ言っても、多分、そんなトカゲが出てきたら、まぁ、沢山死ぬだろうな。だから夜の闇に炎を灯し、見えない所が無いようにって、闇を追いやった。それが正解だったのかは分からんけれどな」
彼は笑いながら語る。ぼくの知らない言葉、意味。海と空が果てしなく見えていた。

浮島のトキワ
「なぁ、草ないか?」
いつもの調子で彼は言う。
「……心臓に良くないですよ」
「ヤニよかマシだ」
はっきりと言えば、無い事もないし、探せばどこかにあるだろう。
「ぶっちゃけ、ないです」
「『ぶっちゃけ』、とは、また汚い言葉を覚えたな、オオカミガール」
「誰の影響だと思ってるんですか……」
会話をしていて疲労を感じる、とはこう言う事か。しかし、オオカミガール……
「随分と古い表現をご存知ですね」
「名前だけだ。そんな歌があったのを思い出した」
彼は見当違いの方を見ながら、右手で握りこんだ親指を数度、スナップさせている。
「ヤク中にあげるモノなんて、匙を投げつけるだけです」
溜息。しゃーないな、と言う若者言葉を吐き出した所で彼も諦める。大きな子供の世話をする、と言うのはきっとこう言う事なんだろう。つくづく思い知った。

「草?」
緑色の人の言う事の意味が分からない。草ならここには沢山あると言うのに。
「ああ、もう、トキワは変な言葉覚えちゃだめよ!」
「クサってのは、マリ……」
「アウトォォォォォォッ!!」
おねえちゃんはなんだか必死で言葉を遮る。顔が真っ赤だ。
「ったく、相変わらず、不便なトコだよな、この島は」
「いくら法律とかそう言う物が無いって言ったって、良くない物は良くないんです。それに性格にはソレ、違います」
そう、ここは島だけれど、島じゃない。緑色の人は半分正しい。
そうして緑色の人と話をする時のおねえちゃんは凄く楽しそうだ。楽しい? 楽しいってなに?
あたまが、いたむ。
ぼくがこうして頭が痛くなるのは、決まってよく分からない事を感じた時だ。
そんな時、決まって聞こえてくる。

歌。
ヒトが生み出した武器の一つ。
感情、意識、状態、気配を放つための手段。
少女は歌う。姿形はかつてのそれと変わってしまっても、その本質は変わらない。
彼女は歌う。世界が色を無くして音楽が消えて去っても、彼女は歌を歌い続ける。
彼女の存在意義、その根幹に位置する存在。それが歌。
癒し、と言えばそうなのかもしれない。
痙攣を起こし、蒼い顔をした幼子は、彼女の歌で落ち着きを取り戻す。
「良い歌だ」
素直にそんな言葉が出た。
「……褒めても何も出ませんよ」
「十分貰ってるから、それで良いさ」
こんなやりとりはあの時もしたし、これまでもしてきた。これからもそうなんだろう。
「歌を忘れたカナリアは、後ろの山に捨てられちゃいます」
「柳の鞭で打つなんてSMプレイの趣味も無いしな」
浅葱色した髪が、内装のランプに照らされ、亜麻色にも輝く。
苦笑いをしながら彼女の長い髪を見ていたその時だった。
一瞬だけ、露草色のその瞳の虹彩が滴る血のような色に変わった。しかも見た事も無いほど穏やかな表情を浮かべている。
瞳孔が拡散するほど見開き確認したが、次の瞬間には既に元のブルー。
見間違いかと思ったが……そう言えば、一度だけこう言う事があった。
そうだ。あの時以来だ。記憶がフラッシュバックを開始する。

Stop Ep『浮島のトキワ(PHANTASY STAR) 』⇒
Ep『(PROJECT DIVA)
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